ブラウザ大手Opera(オペラ)は2月2日、同社が提供するセルフカストディ型ウォレット「MiniPay」において、世界最大規模のステーブルコイン発行体であるTether(テザー)社が手がけるUSDTおよびテザーゴールドへの対応を拡大したと発表した。
発表を受けてオペラ株は、約18%高の14.75ドルまで値上がりした。
MiniPayはCelo(セロ)ブロックチェーン上に構築されたウォレットで、今回の取り組みは、新興国を中心に安定したドル建て価値や金へのアクセスを広げ、金融包摂を後押しすることを目的としている。
USDTは時価総額1860億ドル(約29兆円、1ドル=156円換算)超を誇る世界で最も利用されているデジタルドルだ。MiniPayへの統合により、ユーザーはブロックチェーンの複雑さを意識することなく、ワンタップでUSDTの送受・保有が可能となる。これにより、銀行インフラが十分でない地域においても、スマートフォン一つで安定した価値のやり取りが行える環境が整った。
MiniPayの急成長とUSDT普及
MiniPayは、世界最大級のセルフカストディ型ステーブルコインウォレットの一つへと成長している。現在、1260万以上の有効化ウォレットが存在し、3億5000万件の取引、セロ上での推定オンチェーンユーザー数364万人を記録している。2025年第4四半期だけでも、オンチェーンユーザー数は50%増となり、アフリカ、ラテンアメリカ、東南アジアを中心にUSDTの採用が加速している。
2025年12月時点で、MiniPayには電話番号で認証されたUSDTウォレットが700万存在し、同月のUSDT購入者数は30万人と前月比33%増を記録した。セロはこの期間、USDTのネイティブチェーンとして最も成長が速いネットワークとなり、ユーザー数は12カ月で82万5000人から500万人へと506%増加した。
MiniPayユーザーは2025年12月、9600万USDT超のステーブルコイン送金を実行し、350万件以上のP2P決済が行われた。さらに、Fonbank(フォンバンク)、Partna(パートナ)、Daimo(ダイモ)、Cashramp(キャッシュランプ)、Binance(バイナンス)、Bybit(バイビット)といったローカルパートナーを通じ、4900万ドル超の現金がウォレットに入金された。
12月のひと月だけで、MiniPayを通じた送受金額は1億5300万ドル超に達しており、モバイルファースト地域におけるドル建て決済需要の高まりが示されている。
金へのアクセスもワンタップで
MiniPayはUSDTに加え、XAUT0にも対応する。XAUT0は現物金に裏付けられたテザーゴールドをブリッジしたもので、金価格が2025年に約50%上昇する中、インフレ耐性のある貯蓄手段として家庭に新たな選択肢を提供する。ユーザーは残高の一部をワンタップでXAUT0に変換でき、流動性を保ちながら価値の保全を図れる。
テザーゴールドは、トークン化された現実資産(RWA)の中でも確立された存在であり、伝統的な価値保存手段とデジタル経済をオンチェーンで橋渡しする役割を担っている。
テザー社のCEO、Paolo Ardoino(パオロ・アルドイノ)氏は、「最も必要としている人々に、シンプルで信頼できる安定価値へのアクセスを提供することが私たちの使命だ」と述べ、USDTとXAUT0のMiniPay対応が、送金・貯蓄・価値保全を日常生活で実用的にするツールになると強調した。
オペラのモバイル部門EVPであるJørgen Arnesen(ヨルゲン・アルネセン)氏は、「USDTをMiniPayに直接統合することで、スマートフォンの普及が真の金融アクセスへと変わった」と語る。多くのユーザーが、初めてデジタルドルを保有・送金・貯蓄する体験を得ているという。
今回の取り組みは、テザー社の透明性・流動性・アクセス性への継続的なコミットメントを背景に、オペラとの協業で実用的な金融ツールを提供するものだ。銀行口座を持たない、あるいは通貨不安に直面する地域において、MiniPayは安全に価値を移動・保存できる選択肢として存在感を高めている。
|文・編集:Shoko Galaviz
|画像:Shutterstock
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