トランプ米大統領は9日、Fox BusinessのKudlow番組で行われたインタビューで、連邦準備制度理事会(FRB)議長候補のケビン・ウォーシュ氏を巡る決定について語り、SNS上で大きな議論を呼んだ。
X(旧Twitter)では、トランプ米大統領が「大きな間違いを犯した」と発言する短いクリップが拡散され、同氏がウォーシュ氏の指名を後悔しているかのような混乱が広がった。
実際には、トランプ米大統領は2017年当時を振り返り、「次点」であったウォーシュ氏ではなくジェローム・パウエル氏を議長に選んだ経緯について説明していた。
トランプ米大統領によれば、この決定は当時のスティーブン・ムニューシン財務長官の助言に基づくものであり、それが「本当に大きな間違いだった」と述べた。
現在の指名を後悔しているわけではなく、トランプ米大統領はウォーシュ氏を「非常に優れた人物」と評価し、承認されれば並外れた成果を挙げるだろうと賞賛した。
また、トランプ米大統領は「ウォーシュ氏が本領を発揮すれば、米国経済は15%成長できる」と述べ、注目を集めた。この伸びは過去の4〜7%という好況期の記録を大きく上回る水準である。
こうした大胆な発言が、達成困難な目標に届かなければ「スケープゴート」にされるのではとの観測も呼び、広範な議論を生んでいる。
一方、この発言は市場にも明確な影響を与えている。アナリストや暗号資産関係者の間では、トランプ米大統領のウォーシュ氏推しは、次期FRBが低金利と潤沢な流動性、成長重視の政策をとる可能性を示唆していると受け取られている。
金利を引き下げ、インフレ懸念を退けるようなFRB議長が就任すれば、通常は物価が急騰する展開となる。
Xではビットコインや金、その他のリスク資産への影響にも注目が集まっている。ウォーシュ氏の政策スタンスが「イールドカーブ・コントロール」や財務省とFRBの連携的な金融緩和を連想させるとのセンチメントが広がっている。
しかし、誤解を招くキャプションや切り抜き動画の拡散でエンゲージメントが急増し、ジュディ・シェルトン氏など他の候補を推測する投稿や、ウォーシュ氏が撤回される可能性を巡る議論も目立っている。
一方、Polymarketのデータではシェルトン氏をトランプ米大統領が指名する確率は3%にとどまり、ウォーシュ氏支持は95%に達している。
「間違い」発言は過去の事例への言及だったとするファクトチェックや全編動画の投稿も広がる状況である。
インフレや債務、FRBの独立性をめぐるミームやコメント、推測も加わり、ここ数日Xで最も話題となっている経済トピックとなっている。
ウォーシュ氏本人は、伝統的な中央銀行でのキャリアと、金融分野でのイノベーションへの慎重な寛容さを併せ持つ人物である。
元FRB理事(2006〜2011年)、フーバー研究所上級フェローとして知られ、インフレ抑制を重視し、財政規律やFRBのバランスシート縮小を志向する。
また、BasisやBitwiseなどのプロジェクトに投資するなど暗号資産への個人的な関与もあり、ビットコインを主に価値保存手段とみなしている。
センチメントとしては、マクロ経済の安定や金利方針の明確化によって、同氏の在任下で間接的にリスク資産が下支えされる可能性も指摘される。しかし、実際にウォーシュ氏が2026年5月に就任し、政策が実施されるまで、暗号資産単独での大幅な上昇は見込めない情勢。
