デンマーク最大の銀行であるダンスケ銀行は11日、ビットコイン
BTCとイーサリアム“に関連する上場投資商品(ETP)の提供を開始したと発表した。顧客は同銀行のインターネットバンキングおよびモバイルアプリを通じて、これらの資産への投資が可能となる。
今回提供される商品は、世界的な資産運用会社であるブラックロックとウィズダムツリーが運用する3つのETPだ。内訳はビットコイン連動型が2銘柄、イーサリアム連動型が1銘柄である。これらはEUの金融商品市場指令(MiFID II)の規制下にあり、投資家保護と透明性が確保されている点が特徴だ。
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これらのETPを利用する最大のメリットは、顧客が暗号資産を保管する「デジタルウォレット」を自前で管理する必要がない点である。これにより、初心者がつまずきがちな秘密鍵の管理や、紛失・ハッキングといったセキュリティリスクを回避しつつ、銀行のアプリから手軽に投資ができるようになる。
この決定の背景には、顧客からの強い要望に加え、欧州における規制環境の成熟がある。ダンスケ銀行の投資商品責任者ケルスティン・リスホルム氏は、「MiCA(暗号資産市場規制案)などにより市場の信頼性が高まった」と説明。リスクを許容できる顧客に対し、商品を提供する「機が熟した」との判断を下した。
ただし、銀行側は暗号資産をあくまで「投機的な投資」と位置付けており、長期的な資産形成の一部としては推奨していない。そのため投資助言サービスは提供されず、あくまで自己責任での判断が求められる。リスホルム氏も「アクセス提供は、銀行としての推奨を意味するものではない」と強調している。
また、投資家保護の観点から、取引には事前の「適合性評価」が必須となる。顧客は質問に回答し、リスクや商品特性を理解するための十分な知識と経験があることを証明しなければならない。利便性は向上したが、銀行は慎重な姿勢を崩しておらず、投資家自身のリテラシーが問われる点は変わらない。
デンマーク最大手の銀行が動いたインパクトは大きい。北欧の金融業界において、暗号資産が「怪しい資産」から「正規の投資対象」へと昇格した象徴的な出来事だ。保守的な大手行がMiCA等の規制環境を理由に参入したことは、他の欧州金融機関の追随を促す可能性が高く、市場の成熟を加速させるだろう。
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