フロリダ州マイアミに本社を置くデジタル資産テクノロジー企業の「Buck Labs」は2026年1月6日に、世界初のビットコイン・ドル貯蓄コインである「Buck」を発表しました。このプロジェクトは、予測可能な報酬、グローバルなアクセシビリティ、分単位での収益獲得など複数の特徴を備えています。
Buckの最大の特徴としては、「保有者に対して年率7%の報酬を提供すること」が挙げられます。この報酬は分単位で加算される仕組みとなっており、従来の金融商品や既存のステーブルコインとは一線を画す「貯蓄重視」の設計がなされています。
取引手数料も低く抑えられており、日常的な決済手段というよりも、デジタル資産ポートフォリオにおける「貯蓄口座」としての役割を担うことを目指しています。
Buckが提供する安定した報酬の背景には独自の財務構造があります。Buckはガバナンストークンとして設計されており、Strategy社のビットコイン担保永久優先株である「STRC」を保有して間接的にビットコイン(BTC)に裏付けられることで報酬を得ています。
このSTRCは、Buckの財務部に対して変動する年間レートに基づいた資本収益を毎月支払います。Buckのトークン保有者は、DAO(分散型自律組織)を通じた投票によって、これらの収益を保有者に直接分配することを決定します。これにより、ビットコインの過剰担保に支えられた透明性の高い貯蓄コミュニティが形成されています。
このプロジェクトを牽引するのは、米国を拠点とするテクノロジー企業「Buck Labs」の創設者兼CEOであるトラビス・ヴァンダーザンデン(Travis VanderZanden)氏です。同氏は長年のビットコイン投資家であると同時に、電動キックボード共有サービスの「Bird」を創設し、短期間で世界的な急成長を遂げさせた経験豊富な経営者です。
ヴァンダーザンデン氏はかつて、LyftやUberの幹部として消費者向けテクノロジーの普及と複雑な規制環境の舵取りを行ってきました。同氏のデジタル資産分野への参入は、ユーザーの信頼と規制への適合を優先した、明確で耐久性のある金融ツールの構築を目指す姿勢を反映しています。
ヴァンダーザンデン氏は、現在の暗号資産市場は成熟し、ユーザーが即時の実用性と信頼できる成長の両方を求めるようになっていると指摘しています。同氏は、現代の金融モデルにおいて「ステーブルコインは普通預金口座」であり、「Buckは高利回りの貯蓄口座」であるという興味深い比喩を用いています。
ステーブルコインは日々の活動に必要な決済流動性を提供しますが、Buckは信頼性が高く予測可能なリターンを提供し、投資家に規律ある貯蓄手段を提供することに特化しています。Strategy社のSTRCという強固な金融基盤と、Web3(分散型ウェブ)の柔軟性を組み合わせることで、境界のないユーザーフレンドリーな貯蓄体験の提供を目指しています。
なお、Buckは当初「1トークン=1ドル」の価格で提供されますが、ステーブルコインとしては販売されておらず、ドルとの固定レートも維持されていないため、市場状況に応じて価格が変動する可能性があるとも報告されています。
ビットコインの資産価値を背景にしたこの新しい選択肢は、投機的な動きに翻弄されることなく、シンプルに報酬を得たいと願うユーザーにとって、暗号資産市場における「貯蓄」の概念を根本から変える可能性を秘めていると注目されています。
今後は、DAOを通じたコミュニティ主導の運営がどのように発展し、ビットコイン価格の変動の中でいかにして安定した7%の報酬を維持していくかが注目のポイントとなるでしょう。
>>最新の仮想通貨ニュースはこちら
ビットコイン関連の注目記事
ビットコイン「AI・ロボット経済の決済基盤に」ドレイパー氏が語る分散型経済構想
ベネズエラ、制裁回避で「10兆円相当のビットコイン」を保有か|市場供給に影響の可能性
片山さつき大臣「2026年はデジタル元年」宣言、支援表明でビットコインETF早期実現の可能性
source:Buck Labs発表
サムネイル:AIによる生成画像


